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2015年2月「高速鉄道技術の可能性~日本と世界の未来~」

今回は、JR東海よりお越しいただいた青木宣子様と久保淳一郎様にご講演を頂きました。中央新幹線計画に関しては、安全面や資金面において、JR東海がいかに堅実な計画推進を行っているかをお話しいただきました。

海外展開についてのお話では、JR東海の進めるテキサスプロジェクトや北東回廊についてお話いただきました。青木氏が、日本の高速鉄道の安全性や正確性は、線路と車両を同じ会社が保有し、運行からメンテナンスまで一貫して行うことによって維持されているものであるため、他の国のようにそれぞれを切り離して売ることはできないのだと強調していらっしゃったことが印象にのこりました。他のビジネスでもそうですが、ただ製品を売るだけでなく、日本の考え方そのものを受け入れてもらうことがまず必要なのだと感じました。

ディスカッションでは「米国で高速鉄道はワークするか」というテーマで討論しましたが、むしろ「いかにしてワークさせるか」といったことに関する意見が多く聞かれました。鉄道への関心が薄いアメリカで、鉄道の良さを広め、鉄道に乗りたいと思ってもらうためには、企業単位だけでなく、個人単位の働きかけや、日本政府による努力も必要だといった興味深い意見が見られました。(稲垣里咲)

今回のお話よりDr. Nancy Snowから、ある国を理解するためには、その国に根付いている価値観を理解する必要があるということを教わりました。つまり、アメリカ合衆国を理解する上で非常に大切なのは、アメリカ人の根底にあるのはキリスト教の考え方であるということを知っておくことなのです。アメリカはヨーロッパからの白人が作った国であるため、今でも白人プロテスタントの入植者の価値観が強く人々に影響しています。

建国以来、人々はより良い生活を求めてアメリカへ集まってきます。そのため、リスクをとるという行為が賞賛され、新しく何かを開拓し、挑戦していくという精神が重んじられる文化を形成してきました。そして、こういった新しいものを生み出す個人は皆平等であるべきで、ここから平等の理念や個人主義の考え方が発展していきました。

さらに、移民がなぜアメリカにやってくるのか、アメリカの何が魅力的なのかというお話を伺いました。それは、「アメリカンドリーム」という考え方が根強く、「今は辛くても、状況は好転するだろう」と前向きに考える人が多いのです。努力すれば、成功するだろうという希望を持ってアメリカへ渡ってくるのだとおっしゃっていました。アメリカの価値観にふれることで、日本との違いや、わたしたち個人も少なからずそういったアメリカの影響を受けていることに気づかされました。また、今後日本が移民受け入れを考える上でも非常に参考になるお話を伺うことができました。(横井裕子)

日本が時を経て、映像を見る媒体が映画館からテレビへと移り変わりいくなかで、イマジカ・ロボットホールディングスの前身である東洋現像所がどのように対応してきたのかをお話しいただきました。CMが増え、映像会社の仕事場所がテレビ局に変わりゆく時代に、フィルムをデジタル・ビデオに代える技術を売るためにどうするべきかを試行錯誤し、現会社となった経緯をお聞きしました。

またご講演のなかでオーナー経営という言葉を強調されておりました。それはコダック社の倒産や、株式会社イマジカが株式会社ロボットを子会社化ということがオーナーの一存であり、会社の行く末を決めるからです。長瀬様が同族会社を上場させたのも人材・資本を確保するためであり、結果的に会社が安定し上場をして良かったとおっしゃっていました。このように経営に対するオーナーの采配は会社全体にとって如何に重要かを学びました。

その後の学生のみのディスカッションでは、「同族会社と上場会社」のテーマについて、長瀬様からいただいたお話も踏まえ議論できたのではないかと思います。ここでは一つの結論は出さず、また「カリスマ経営者がいる会社」についても考え、三つの会社に対する様々な意見を出し合いました。このテーマは、就職活動を控えているメンバーもいる私たちにとって大変身近なもので、自分たちの将来を改めて考えさせられる、とても有意義なものでした。(平山裕二郎)

「いかに競争力のある人材を育てていくか」という四方様の御言葉が印象に残っています。政治、金融、文化の中心としての機能を持つロンドンは、ブランド能力を生かしながら、街としての競争力を保っています。一方、日本でも、近年、英語教育の拡充など、徐々に外に開けた動きが見られるようになりました。今後、更にグローバルなルールメイキング、コミュニケーションに主体的に関与していくためには、競争力のある人材を目指し、また育成していくことが必要不可欠です。アジア太平洋地域、そして国際社会においてプレゼンスを発揮できるよう、「高い技術を持つ日本」として、中身だけでなく、語学をも自由自在に使いこなし、外見を整えていく大切さを学びました。

また講演後、日本からの対外発信能力を強化するための方途、手段についてディスカッションをしました。私のグループでは、対外発信の主体として、「個人」に着目しました。メディア、政府、企業というと比較的大きな組織の持つ影響力が大きい一方で、個人も立派な国の情報発信の主体だと考えます。日本の文化や習慣を支えているのは、1人ひとりの日本人です。私たちにもそうした意識を持っていくこと、そして日本全体でレベルアップを図っていくことが今の私たちが向き合うべき課題だと思います。(佐野 裕美江)

今回は株式会社ローソンの会長である新浪剛史様にご講演を頂いた。講演の中で一番印象に残っていることは、震災後の物資の滞る中、ローソンがいち早く被災地で営業を再開したということであった。東京の店舗を品薄にしてまで被災地での営業にこだわった理由は、ローソンは地域と共存する企業であり、地域が成り立たなければ、ローソンも成り立たないという信念からであったという。物資が滞り従業員も被災者であるという状況は、店舗の再開を困難にしたが、それでも新浪氏は他地域のオーナーやドライバーに協力を要請し、一早い店舗の再会にこぎつけることができた。

昨今、企業の社会的責任が問われるようになってきたが、本当の意味で社会的責任を全うしている企業はどれだけあるのだろうか。多くの企業は目先の利益を求め、社会貢献という言葉は名ばかりのように感じる。しかしながら、長期的な目線に立って企業が行動するならば、社会貢献は必然である。それは企業も社会を構成する一員であるからである。

従業員の自発性が、ローソンによる社員一丸となっての地域貢献を可能にした。被災地でお弁当を配布した際に、現地従業員が本部の指示ではなく自発的にプリンを添えたのはその一例だ。そのような行動を可能にしたのは、新浪氏自身が現地に赴き、その行動によって企業理念を示すことができたからではないだろうか。どんなに組織が大きくなっても、「顔が見える」リーダーのもとで働きたい、また「顔が見える」リーダーとなりたい、そう思えるような講演であった。(鈴木良祐)

昨今日本の国際社会におけるプレゼンスは下がりつつあると言われがちだが、諸外国からは日本は政治・経済力、地理的位置、文化的な力(ソフトパワー)という3点において期待されているということがまず私にとって驚きでした。昨今のマスメディアを見ていると日本に対して悲観視するニュースばかりが流れてくるからです。そのような中で外務省はどのような役割を果たしているのでしょうか。例えば日本はこれまでイラク、アフガンに自衛隊を派遣してきました。わざわざ日本から遠く離れた地域に日本から自衛隊を派遣するのは中東からの原油の輸入確保とタンカーの通り道の安全確保のためである。同様にソマリアの海賊対策を行ったのはヨーロッパと日本を繋ぐ輸出入の航海ルートの安全確保のためであった。

このように外交においてはたとえ日本と離れていて無関係と思われる地域でも日本とどのような関係を持ち、それが日本にどのような影響を持つのかということを考えることが大切なのです。そしてそれは外交において欠かせない第一のステップであることを学びました。

もう一つ、野村氏のロンドン大使館での勤務の経験から感じた日英の比較はとても興味深いものでした。地理的、経済的、政治的に類似性を見いだせる点がある反面、ソフトパワーや対外発信力については日本がイギリスから得ることができることはまだまだたくさんあるという言葉に私自身が励まされる気がしました。 国内から見る日本と外から見る日本は大きく違います。今回野村氏から伺ったお話、そしてそれに引き続く議論から私を含め日本人はもっと自国に対して自信をもって良いのではないかと感じました。自信(プライド)は決して驕りではなく自覚だと私は考えています。野村氏が「日本が今後国際社会でどのような役割を果たしていくか」ということを今後の問題意識として掲げていらしたように、自国をより積極的に認め自覚を持つことで、日本の良さを活かしたよりよい将来の日本と国際的地位を築くことができるのではないかと思います。(相浦由莉絵)

5月フォーラム開催。今回は弁護士の田村幸一郎先生と加藤啓先生に、牛島総合法律事務のオフィスにてお会いしました。同事務所の会議室をお借りし、「国際ビジネスと国際法律弁護士の仕事」というテーマで、同氏らに日本と米国の弁護士の比較や弁護士の業務一般について伺いました。 お話の中で、特に印象に残ったことは二つありました

一つ目は、弁護士ならではの発言でした。例えば、「人の内側は無理だが、人の外側の事象は全て弁護士が扱う領域である」という発言には、弁護士業への自負が垣間見られました。ただし、依頼人を弁護することで「人の人生を変える」と思うのは傲慢なので、あくまで第三者として関与する程度が望ましいそうです。

二つ目は、英語での会議で必要とされるものについてのお話です。同事務所では海外との交渉も多数担当しているそうですが、その際に英語能力以前に必要なものがあるそうです。それは、日本語での論理構成能力です。英語が話せるだけでは不十分で、自分の主張を先ず日本語で構成しなければなりません。実はこの立証が曖昧な弁護士もおり、英語以前に会議で通用しない人もいるそうです。

海外企業との折衝では英語が最優先される」としか考えていなかった私にとって、この「日本語での立証が案外難しい」という指摘は思いもよらないものでした。同氏らによれば、この立証する技能は一朝一夕に身につくものではなく、討論の繰り返しによってのみ獲得できるとのことです。

近年グローバル化しつつある日本に住む学生にとって、仕事で英語はいずれ必要とされるでしょう。英語に限らず討論を通じた立証力もまた、学生時代に習得しておくべきではないか、と感じました。(中村勇人)

4月フォーラム開催。今回はボストンコンサルティンググループのプリンシパルでおられる小長井聡氏をお迎えしました。ご自身の経験をもとに、「プロジェクトマネジメント力」というテーマを中心にお話ししていただきました。

プロジェクトを行っていくときの手順である、ワーククプランを作ってそれを検証し、その後アウトプットを作って結果を出す、という流れのそれぞれがどのように重要であり、どのようなことに注意して行うべきかということを教えていただけました。仮説をしっかりとたてることが出来ればほぼプロジェクトはうまくいくそうで、プロジェクトの肝となる仮説をいかに良く、効率的につくるかということの重要性を強調されていました。論点の漏れがないように、そしてだぶることもないように整理していくことですべての可能性を試すわけでもなくランダムに仮説をたててしまうわけでもなく、仮説をたてる。そうすることによって、もしその仮説を検証してみた結果間違っていてもよりよく次の仮説をたてることが出来る、とおっしゃっていました。

プロジェクトを実際に行っているメンバーもいるので今回のテーマはとても実践的な情報を得られました。仮説をたてるということだけではなく多くのことにおいて、表面に出てくる問題に惑わされることなくしっかり真の問題を見極めることが重要か、ということを感じました。そしてこれは一朝一夕で身につくものではなく常に普段の生活で意識をするなどして経験を積むことによって得られる物であり、常にチャレンジする気持ちを忘れないことの重要さを感じました。(長谷川駿)