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2023年3月「医療から見たバイオテクノロジー、ゲノム編集への挑戦」

講師:東北大学 医師 矢坂健氏

矢坂健(MD PhD, KIP Alumni) 専門は膠原病学2015年
東北大学医学部卒業 (麻布高校卒)
宮城県と岩手県で膠原病科医として研修
2023年 東北大学大学院博士課程卒業

【プロジェクト最終発表】

第1部では2022KIPプロジェクトメンバーより「食を通して見た持続可能なコミュニティのあり方」と題して発表が行われた。2回のアンケートを通して食はコミュニティ形成に重要な役割を果たしているものの、多くの日本人の若者が食の重要性に無自覚であること、東南アジアにおいても日本同様、食は人間関係構築に重要な役割を果たしていることが分かった。地方研修・東南アジア研修・アンケート結果より、コミュニティを形成する要素として低コスト・時間共有・開放性の3点が重要であり、これらを全て満たすものが「食」であると結論付けられた。フォーラム後に懇親会を開催し、食を通したコミュニティ形成を実践した。
第2部ではKIPアラムナイ東北大学医師の矢坂健氏をお招きし、ゲノム編集についてお話を伺った後、「ゲノム編集技術は発展し汎用されるべきか、或いは人間は超えてはならない一線があるのか」についてディスカッションを行った。

【スピーチと質疑応答】

矢坂氏のご講演では、21世紀に入ると、次世代シークエンサーの使用によりゲノムを読む技術が飛躍的に発達し、遺伝子変異の判定が容易になったこと、ほとんどの病気は複数の遺伝的要因と環境要因が絡み合う多因子疾患が多いが、単一遺伝子の変異が疾患の原因となる単一遺伝子疾患があることを述べられた。CRISPR Cas9はゲノム編集を容易にしたが、技術的ボトルネックが存在する。単一遺伝子疾患の遺伝子変異の部分を受精卵の段階で編集することで、そのような疾患を根絶できる可能性がある。一方で胚細胞ゲノム編集が今後実現されることで、将来罹患しうる疾患の予測、エンハンスメントの恣意的な実行も可能になるのではないかという倫理的な議論が起きている。質疑応答では胚細胞ゲノム編集は体細胞ゲノム編集とは異なり将来的にも遺伝子が受け継がれるためより議論になっていること、現時点で胚細胞ゲノム編集の法規制が日本にはないこと、ゲノム編集は安価に行うことが可能であることを伺った。

【グループ・全体討論】

グループ討論では「ヒト胚細胞ゲノム編集への規制はどうあるべきか」「ヒト胚細胞ゲノム編集医療は障碍者、遺伝子疾患を持つ人々の尊厳を否定することとなるのか」「将来ヒト胚細胞ゲノム編集医療が実現した場合、どのような懸念点があるか」の3つのテーマから各グループで話し合うテーマを選択し討論した後全体討論を行った。多数のグループである程度共通していた意見としては、胚細胞ゲノム編集技術は単一遺伝子疾患への適応は許容されるが、エンハンスメントへの応用は規制されるべきであり、ゲノム編集技術に対する規制は作るべきであるというものであった。全体討論ではゲノム編集の責任は誰がとるべきか、特に親子の責任問題について話し合われた。

【全体私感】

ご講演・討論を通じて、医療技術の進歩とともに、従来根治することが難しかった疾患の治療が可能になると同時に、様々な倫理的問題が生じうるということを考える機会となった。倫理的問題は胚細胞ゲノム編集のみにとどまらない。例えばヒト胚を壊すという点においてヒトES細胞の研究に関する倫理的問題が話題に上がったのも記憶に新しい。倫理的問題を含めて、進歩した技術を正しく恐れ、使用していくことが今後の医学の発展に大切なのではないかと考えた。

東京女子医科大学医学部4年 小川 真依

講師:中村光男 千葉大学名誉教授

略歴: 1960年東京大学文学部哲学科卒業後、文化人類学に専攻を転じ、1965年東京大学大学院より修士号取得、同年フルブライト奨学生としてアメリカコーネル大学に留学。1976年Ph.D.を取得。

【スピーチと質疑応答】

講演のなかで印象的だったのが、インドネシアのイスラームは、日本で一般的に抱かれており、私も抱いていたイスラームのイメージとはかなり様相が異なるという点だ。厳格な戒律や断食のように、日本人からすると苦行にも見える生活スタイルの印象が強かったため、インドネシアの場合は友好的なスマイリングイスラームであるということが驚きだった。
ムスリム商人や布教者がインドネシアに訪れ、現地で結婚、定住するようになった結果、緩やかに、平和的にイスラームが浸透していったという話も非常に興味深かった。ある地域集団の信仰の程度やその性格は気候や現在の産業、民族構成等比較的最近の状況に影響されるだけではなく、現在生きる人々と直接関係がないような数百年前の歴史にも関係してくるという一つの例であるように思う。
加えて、イスラームでは「人間は不完全」という観念が根底にあり、不完全な個人同士だからこそ議論を尽くすことや、全能の神が作った世界を理解し活用するため、学ぶことが神への信仰の表れになるということも伺った。この考え方はムスリムでない自分自身も見習いたいと感じた。
スピーチの後、近頃タリバン政権の動きが世界的に批判されているなかで、インドネシアのムスリムは他国のイスラームの状況についてどう感じているのか、という質問があがった。これに対して、インドネシアのムスリムは自分たちのイスラーム文化が本物だという自信を持っており、アラビア半島のような他地域のイスラームに対して進出しよう、という動きがある、との返答をいただいた。イスラームが元来持つ「世界に信仰を広める」という性格と、近年のグローバル化が合わさった結果このような動きがでてきたのだろうか。話を聞くたびに新たな疑問が湧き上がる、とても興味深いテーマだった。

【グループ・全体討論】

「優先されるべきは、宗教か人権か」というテーマのもと3グループで討論を行ったが、それぞれの結論は、インドネシアに着目した場合、国としては「宗教を優先」「人権を優先」「場合による」と、見事に分かれた。「宗教を優先」派からは、すでに宗教が深く生活にも政治にも浸透しているインドネシアでは、宗教によって国がまとまっており、かつその宗教が比較的寛容な性格であることが理由として挙げられた。一方で、「人権を優先」派は、イスラームの教義がインドネシアの人々を結び付けているという点には同意しつつも、人権は生まれながらに保障されるべきで、そこには宗教の自由を含まれるのではないか、という意見だった。
このように三者三様の方向で議論が行われたかのように見えたが、その後の全体討論を通し、そもそも宗教と人権は二項対立でとらえるべきではなく、生活の基盤となっている宗教を生かしつつ人権を保障するのが良い、という考えをどのグループも共通して抱いていることが明らかになった。

【全体私感】

講義や書籍で「欧米ではダーウィン進化論を宗教上の理由から受け入れられない場合がいまだにある」といったケースをしばしば耳に(目に)していたため、フォーラムの前は宗教と科学は根本的に相いれないものだと考えていた。
イスラームも神が世界を作った、という根本的なところは自然科学と両立はしないが、「自然、世界の成り立ちを理解しようとする」という試みはまさに自然科学そのものであり、この二面性がなんとも独特で、だからこそ天文学や医学が発達した歴史を持つのだと納得できた。今回伺ったインドネシアのイスラームの状況は、宗教が生活に浸透しながらもそれが科学技術発展の足かせとならない良い実例であると思う。将来科学に携わる者として、宗教と科学の関係性は今後も考えていきたい。

東京大学前期教養学部2年 毛防子 璃奈

講師:Garvey McIntosh氏

略歴: アメリカノースイースタン大学, 及びモントレー国際大学院卒業
1995 – 1999  長崎外国語短期大学で4年間英語を教える
2003 – 2011 NASA本局(DC)勤務開始
NASA国際部にてJAXAを含む海外宇宙局とのプロジェクト調整業務を担当(スペースシャトル、ISS国際宇宙ステーション、航空技術開発、宇宙科学関連)
2011 – 2012  NASA副長官付き特別補佐官としてNASAの政策全般の調整業務を担当。
2012 – 2017 NASA国際部と航空宇宙部に併籍し、中国との航空研究合意書を調整し合意に至る。国際航空研究フォーラム(IFAR)を通しJAXAとの協力体制を構築。
2018 NASAアジア代表部代表(在アメリカ大使館)
日本の宇宙政策やNASAとアジア諸国との宇宙探査や利用における協力等に関する諸事情の調整担当。       
駐日大使の宇宙関連事項のアドバイザーを兼務。

【スピーチと質疑応答】

11月のフォーラムで、米国航空宇宙局(NASA)のアジア担当代表Garvey McIntosh氏からのスピーチをいただいた。McIntosh氏は米国航空宇宙局が主に取り組む4つの研究分野、米国航空宇宙局の組織の形態、日本及びその他の国々と連携する期待という米国航空宇宙局のさまざまな方面を紹介することでスピーチを始めた。そして、宇宙開発の基礎知識や·有人宇宙船に備えるロボットのミッションから、アメリカ合衆国とソビエト連邦の宇宙開発競争を背景とする月に人間を立たせるための20世紀後半の歴史まで、詳しい紹介をいただいた。次に、国際宇宙ステーション(ISS)の話が続いた。国際宇宙ステーションは6つの国々が連携して建設された大きくて難しい工程であり、近年は政府だけではなく、企業との連携も求めている。スペースX、国際宇宙ステーションへ行った日本の宇宙飛行士達、異なる国が担当する宇宙開発の領域の仕事場に使う言語といったさまざまな話もいただいた。最後に、アルテミス計画という宇宙開発をもっと深く進むための計画に関する紹介をいただいた。アルテミス計画の宇宙飛行士の性別と人種のダイバーシティ、アルテミス1、2、3、HLSなどのさまざまな話もいただいた。
ま質疑応答では、NASAとISSの国際およびアメリア国内の政治による影響、未来の日本及び他の国々と連携する可能性、宇宙開発における原子力といった未来のエネルギーに関する予想、新しい宇宙開発の計画の必要性、スペースX、セキュリティー、企業との連携、火星への宇宙開発の意義などのさまざまなトピックの話をしていた。

【グループ・全体討論】

討論は、「日本は自国開発国産の大型ロケットを開発し続けるべきか」というテーマをめぐって行われた。特に、日本はすでにロケットを持っていて、開発を続けることによる莫大な費用の考えを含めて討論が続いた。
討論に参加した6つのグループでは、賛成と反対の意見が半々であった。
賛成派の意見から、日本の国際地位、日本の経済と雇用、宇宙開発の人類にもたらすメリット、テクノロジーの発展の必要性、戦争に備えることなどさまざまな方面から考えると、日本の自国開発国産の大型ロケットの開発が続くべきである。また、企業と政府の連携によるロケットを開発した方がいいという意見も出た。
反対派の意見から、費用とエネルギーの莫大なコストへの心配から、日本の自国開発国産の大型ロケットの開発の実現が難しいという意見が出た。また、日本はすでにロケットを持っていて、他の国々との宇宙開発での連携が望ましい見込みであるため、ロケットの開発をし続ける必要性がないという意見も出た。
そして、ロケットを開発するための莫大な費用とエネルギーを得ることの実現可能性、開発し続けるメリットとコストの比較といったトピックに関する討論が続いていた。また、政府といった公立な組織だけではなく、企業といった私立な組織による開発も考えるべきという話もあった。

【全体私感】

 McIntosh氏によるスピーチの宇宙開発の歴史を聞いていて、有人宇宙船の打ち上げ、国際宇宙ステーションの建立といった人類の宇宙開発のためのさまざまな取り組みの難しさと人類に対する大きな意義を実感した。それに、宇宙の広大さと比べると、人類による宇宙への探索がどんなに少ないことも実感していて、宇宙に潜んでいる秘密の神秘さに魅了されていた。
宇宙開発は、さまざまな方面からの莫大なコストが必要である一方、予想することが難しい人類に対する大きなメリットがある。宇宙開発の具体的な計画に関する討論がたくさんあって、未来の宇宙開発が人類に対してどんな影響があるかわからないが、人類の宇宙開発への取り組みが続くだろうと思う。

東京工業大学工学院3年 李 明宜

講師:四方敬之内閣広報官

略歴:1986年京大法卒、 ハーバード大学ケネディー行政大学院修士(MPP)。 1989年在米国日本大使館プレス担当官を皮切りに、1999年にOECD日本政府代表部一等書記官、2012年に在英国日本大使館政務担当公使、2018年からは駐中国特命全権公使、2019年には米国公使として再度米国へ赴任。国内では国際報道官、北米局北米第二課長、国際法局経済条約課長、内閣副広報官、大臣官房人事人事課長、アジア大洋州局参事官、外務省経済局長を経て、2021年10月より現職。

【スピーチと質疑応答】

KIPは10月フォーラムの講師として、KIP理事であり現岸田内閣の内閣広報官を務める四方敬之氏をお迎えした。四方氏は、岸田総理の外遊に都度随行し、政権の理念や政策を広く世界に発信する役割を担っている。ご講演では、海外メディア等との交流を通じて新たに認識される日本の役割や、国際社会に対する日本の更なる貢献について知見を共有いただいた。その後、政権が掲げるデジタル田園都市国家構想について、その国際的展開の趣旨や方法を議論した。
まず前半の講演では、「岸田内閣の優先的政策課題〜外交を中心に」と題して、四方氏に岸田政権の外交政策を解説いただいた。岸田政権の外交は、「リアリズム外交」「インド太平洋戦略」「核なき世界」を主な柱として構成されている。安倍元総理が提唱した「インド太平洋構想」を継承し、同盟国のアメリカをはじめクワッドやASEANとの連携を引き続き強化する方針である。一方、ウクライナ侵略や台湾情勢の不安定化、北朝鮮のミサイル発射などにより浮き彫りになった日本の安全保障上の課題に対処するため、防衛費の増加を目指す。また、「広島・長崎を最後の被爆地に」という思いの下、被爆国でありながらアメリカの「核の傘」に守られている日本として、核軍縮の厳しさを認識しながらも国際社会に「核なき世界」の実現を訴え続けることが重要であると四方氏は語る。来年5月には広島でG7サミットが開かれ、核保有国と非保有国の橋渡しをアピールする絶好の機会であると感じるため、岸田政権の外交手腕に期待したいと思う。
参加者からは、ロシアによるウクライナ侵略によって浮彫となったエネルギーや食糧の安全保障、及び国連安保理の改革などに対する日本の取り組みについて質問が上がった。四方氏は、これらが喫緊の課題であること、また周辺国や関係国との交渉や調整が困難を極めるとの認識を示した。大国どうしの利害が対立する中で、国際社会の諸制度をより効果的なものとできるよう、日本として同志国の「輪」を広げる努力を続けて欲しいと感じた。 また講演では、デジタル田園都市構想が産業革命成熟期のイギリスで生まれたものであることが紹介された。当時は、工業化の進んだ都市に田園風景を取り込むようなコンセプトであったが、日本に輸入された際には東京一極集中の解消や地方創生が課題として認識され、地方がデジタル田園都市構想の主な対象となった。

【グループ・全体討論】

後半の討論部分では、講演を受け「日本のデジタル田園都市プロジェクトは、いかに国際展開できるか?」というテーマの下、議論が行われた。多くのグループが、日本の良さを海外に輸出し発展途上の社会と共に高みを目指す、という結論に至る一方で、「日本国内でデジタル田園都市国家を実現し、海外からの留学生が住みやすい環境、また海外企業にとっても働きやすい環境を作る」という提案をしたグループもあった。前者の案は、東南アジアなどの今後高齢化社会の到来が予想される国々に向け、少子高齢化社会における経済発展の方法を日本の教訓も合わせて考えていくものである。日本の技術や強みを海外に「輸出」することに繋がる一方、地理的条件や文化的素地の異なる他国に日本の方法論をそのまま適用することには注意するべきであるという意見も聞かれた。後者の案は、都市への便利なアクセスを確保しつつ、首都圏周縁に田園と融合した住みやすい街づくりを実現するものである。イギリス由来の田園都市構想と通じる部分があり、デジタル技術の普及と共に多様な生活形態を取ることが可能となるだろう。
全体討論では、民間・行政・教育・文化の多様な視点を取り込み、仕事の丁寧さや自然との共生の歴史といった日本の強みを活かしていく重要性が共有された。地域全体を巻き込み、行政主体だけでなく芸術家などの文化人も取り組みを主導することで創造性に富んだ街づくりも達成され得る。四方氏からは、「様々な主体が参画することでイノベーションが生まれ、日本の良さを発信する機会となる」旨を総括としていただいた。討論を通じて、日本の良さを発見し日本という存在を世界にアピールしていくという、外交の発想の基礎に触れることができたと考える。

東京大学前期教養学部文科一類2年 野中智貴

講師:Dr. セルギー・コルンスキー特命全権大使

駐日ウクライナ大使のコルスンスキー氏のご厚意で、2月24日のロシアによる侵攻以降厳しい状況が続く中、ウクライナの現状とメッセージを伝えていただいた。会場には日本で現在ウクライナ難民として生活する学生もいらして、ウクライナの過去から未来までの幅広い質問への大使の説明を伺えた。ウクライナの人々に “Just leave us alone. We’re so sick.” と言わしめる歴史、私たち日本人の “You can be proud of what you can do from 8,000km away.” という役割、これからに向けて現状を見つめる視点 “until the next spring”。当事者の声を会場一体となって受け止めた。

【スピーチと質疑応答】

大使からのスピーチは、ウクライナとロシアの歴史はpsychologicalでspiritualな問題だという話からはじまった。1000年以上前、キーウを首都とする国・ルーシが誕生し、13世紀のモンゴル軍侵攻で支配の弱かったモスクワと袂を分かった時代から、帝国としてのロシアが、以降幾度もウクライナの自治権を奪い併合しようと手段を選ばずにきたと、解説していただいた。20世紀以降もなお、村ごと壊滅するまでの飢餓に追い込む、知識人を虐殺するなど、どの時代も文化・生活を丸ごと消し去ろうとしてきた、という語気に圧倒された。ウクライナの土地の豊かさ、 “We didn’t have an army. Why should we have it?” という姿勢、ロシアに対する “They must be normal. I doubt they can’t.” という信念といった、ウクライナで育ったコルスンスキー氏こその言葉を伝えていただいた。
質疑応答の中で、日本に対するメッセージもいただいた。イデオロギー上、話を通わせられない国々があるが、ロシアや中国のみならず人口の多い国はあり、民主主義も世界各地にある。日本がアジアで率先して制裁を続けることへの全面的な感謝と願いがあるそうだ。これは「民主主義とロシアの戦い」のため、少しの生活のロス(経済制裁によるもの)を受け入れてくれると嬉しい、という。 なお、今回のフォーラムではアラムナイの和田さんの呼びかけから、連帯の意思をできる範囲で示すため、有志の参加者は水色または黄色の服・アイテムを身に着けて参加した。講演台から名札、多くの参加者の服装に取り入れられ、部屋に入った瞬間から美しい色彩が目を惹いた。

【全体私感】

今回のフォーラムは、祖国の存亡がかかった時期に、いつ当日にスピーチができなくなるかも分からない講師が魂を込めて話してくださったと感じる。現状を重く受け止めることはもちろん、私にとってこれは2つのことを改めて考える機会になった。
1つは、戦争についてだ。日本では太平洋戦争時に学徒出陣が行われ、見送る女学生の中にも学生の中にも、敗戦を見込んでいた者も多く、出陣への懐疑心も存在したという証言が75年後の今、テレビ番組で放送された。幾度も戦地となったウクライナの歴史は島国日本と異なり、その故郷への想いの強さは想像力を精一杯働かせて考えなければならないと思った。「我々は軍隊を持たなかった。なぜ必要なんだ?お金がかかるじゃないか」この大使の言葉を、今後もずっと咀嚼していく。
2つ目の再認識事項は、改めて、ウクライナとその周辺、東スラブ民族の歴史を調べようと思う機会になったことだ。私は専攻の関係もあって古代から中世の世界史の知識に乏しいのだが、今起きていることを知るためには、背景の1000年以上もの民族の歴史を前提に入れなければならないと、直観させられた。フォーラム前の事前共有資料にはじまり、終了後に調べて知ったウクライナと周辺国の関係に深く納得することばかりであった。今後も歴史を学び続ける必要性を再認識した日だった。 多角的な視点を議論の必要条件とするKIPだが、今回深く伺えた「当事者の視点」を真摯に受け止め、人命を守るために日本人としてとれる態度を取り、話を聞き、行動したいと思う。

東京大学工学部2年 榎原 茉央

スベンドリーニ カクチ氏

経歴
スベンドリーニ カクチ女史は日本アジア関係を専門として日本、スリランカ、インド、アジア各国でジャーナリストとして活動しているスリランカ人。スリランカコロンボ大学、上智大学卒業し、ハーバード大学ネイマンフェローでもある。現在イギリスのUniversity World Newsの東京特派員として活躍中。2022年6月まで外国特派員協会のプレジデントを務め、日本人の夫を持ち、英語、日本語、シンハラ語、タミール語を話す。

【スピーチと質疑応答】

7月9日に行われたフォーラムは、参院選投票を翌日に控え、さらに前日には日本全国を揺るがす元首相銃撃事件という情勢の中で行われ、参加者全員が自分ごととして真剣に日本の今後に思いを馳せる重要な機会となった。
中国の台頭、ロシア・ウクライナ戦争などの世界の動きは私たちの生活の端々に影響を及ぼしている。その中で、特に日本のアジアにおける存在、役割、期待されていることは何か、ということをカクチ氏にお話いただいた。
このように目まぐるしく情勢が変化する中、カクチ氏はアジアから見た日本について語る。
「日本がアジアに及ぼす大きな影響としては、投資、技術、製品、文化、アジアにおける植民地化の歴史、移民や出稼ぎ労働者、留学生の受け入れなどである。2000年代より、日本のODAは弱くなっていますが、教育やコミュニティビルディング、ガバナンス、防災など戦略的に行っている。また、日本の中小企業、生活に密着した安くて高度な技術をアジアは求めている。」
アジアの中で、特に中国と比べて地位が低下してしまった現在の日本は、ソフトパワーやガバナンス、現地の方の生活に入り込んだ支援、中小企業の技術などを提供し、日本はASEANや南アジアの国々と対等なパートナーシップを結ぶことが大切であるというお話が非常に印象深かった。
後半のご講演では、7月5日にウィクラマシンハ首相が国の「破産」を宣言したスリランカのお話が主題にあった。
まず、長い内戦を経て中国がスリランカへの影響を強めていった背景のお話から始まった。
スリランカは内戦の完全終結と、経済停滞打破のため、戦後復興資金を必要としており、海外からの経済援助が欠かせず、かつては日本が最大の援助国であった。中国はどんどんスリランカへの影響を増し、今やインフラ融資のトップも中国である。中国融資の条件は他の国や機関より厳しく、金利が2%のものもあるがなかには6.5%に設定されているものもあり、据え置き期間も短い。中国から14億ドルを借り、港湾のインフラ整備を進めたが、2017年には返済が行き詰まり、担保にしていた南アジア最大の港であるハンバントタ港の運営権を中国企業に99年間引き渡さざるをえなくなった。
質疑応答では、日本と中国やスリランカを比較する質問が出た。日本がスリランカへの影響を強めるには、中国と対立するやり方ではなく、日本独自の方法を模索し、明らかにしていく必要があるとカクチ氏は語る。さらに、女性活躍の進むスリランカと、未だビジネス・政治のトップ層の場で女性が進出できていない日本を比較し、日本の未来と抱える課題について考えを巡らせる時間となった。

【グループ討論と全体討論】

「日本はアジアのリーダーであるべきか、なれるのか」というテーマで討論を行なった。
アジアのリーダーになるには、アジアの中でビジネス・産業、政治的に安定していることが求められるという意見が出た。しかし、どのようなリーダーであるべきかについては、「経済的にパワーを持ち、他国を援助することがリーダーの役割である」、「ビジネスパートナーシップを結んで伴走することがリーダーの役割である」というように意見が割れた。東南アジア・南アジアとは平等なパートナーシップを構築しつつ長期的な支援を充実させるという意見が多く見られた。対中国・対韓国との競争意識、危機感、関係性をどう考えるかという問題提起もなされた。今後、経済的な競争をしていくために、ヘルスケアやガバナンスなど、企業経営を支えるシステム面でリードして存在感を示していくことが重要だという立場もあった。
グループ討論では、日本は今後アジアのリーダーになるべきという意見が大多数を占めた。日本の目指すリーダー像としては、上下の関係ではなく、経済的に伴走しつつ、各国の利益対立の国際協調を先導するものという意見が見られた。日本がアジアにおいてリーダーがなるべき、援助する理由は、「日本が支援を続けることで利益が返ってくることもあるため」、「日本の対外的な地位と信用を向上させるため」、「日本の民主主義的な理念や、ヘルスケアやガバナンスなどの基盤部分でリードするべきであるため」など様々な立場から活発な討論がなされた。

【全体私感】

学生のアジアに対する知見が限定的であることが浮き彫りとなったフォーラムとなり、スリランカの情勢が自分たちの生活に直接に関わりのないものとしてみなされているのではないかという各々への問題提起がなされた会であった。また、今後ますます変化するアジア・世界情勢の中、日本の特に経済的地位向上と東南アジア・南アジアにおける日本の存在感をいかに増していくか、平等なパートナーシップのあり方とは何か、日本独自の姿勢を見つけていかねばならないと痛感した。

(東京大学文科一類2年 金澤 伶)

鈴木 涼平氏

経歴
KIPアラムナイ 東京大学法学部を卒業後、経済系官庁に入省。国際経済分析やマクロ経済政策運営に携わった後、イェール大学経営大学院へ留学しMBAを取得。帰国後、人事部門にて組織マネージメントへの従事を経て、社会保障政策に従事。

【スピーチと質疑応答】

鈴木氏のご講演では年金の基本的な概念についてのご説明から始まった。年金は予想外に長寿となった際の生活を保障するための保険という概念が本質であり、よく巷でいわれているような払い損、もらい得といった国家から得られる収入という概念はそもそもそぐわない、ということは誤解されやすいので強調されていた。年金はこのように誤解を受けやすく、また実態が正確に伝わっていない面も多いことから、国としての見解や正確な実態のご説明をされた。
例えば、年金制度の崩壊に対する懸念がよく訴えられているが、年金支給額を物価変動や賃金の変動に合わせて変動させるルールや、平均余命等に連動して年金支給額を調整するマクロ経済スライド等の仕組みにより、年金制度の持続可能性を担保しているとのことであった。
他にも高齢者1人当たりを扶養する生産年齢の人の割合が少子高齢化の進行とともに減少し、高齢者を支えきれなくなるのではないかとよく指摘されるが、高齢者以外にも子供や労働に従事していない方々も勤労者により支えられていると考えれば、社会全体としては扶養される人の割合はあまり変化しておらず、扶養すべき人々の割合が増大しているわけではないとのことであった。また、人口動態を見てみても、現在は団塊世代の高齢化や急激に進行した少子化の問題もあるため高齢者の割合が急増しているが、ある時期から出生率は下げ止まったことを踏まえると、今後は人口ピラミッドの構成も急激に変化しなくなるので、そのことは年金制度上プラスに働くともおっしゃっていた。
このように年金制度は持続可能な制度になるように設計されている。また、基礎年金の2分の1は保険料ではなく税金で賄われていること踏まえると、上述の年金制度の本質から外れるものの、年金を投資商品として考えた場合でも悪いものではないともいえる。
最後に年金制度は国全体の経済成長と密接に関係しており、年金を持続可能にしていくためには国の経済発展が不可欠と話され、経済発展の重要性を強調してご講演は終了した。
質疑応答ではご講演では時間の都合上省略せざるを得なかった箇所に関して活発に対話がなされた。特に、現状積立金を削って払われ始めている中で将来本当に年金をもらうことができるのか、また将来の生活に備えて今何を行うべきであるかという質問がされた。人口動態が将来的に安定すれば年金の支払いの負担感も改善されていくこと、さらに将来に備えた個人年金の積み立てについても強調されていた。

【グループ討論と全体討論】

現在の公的年金の負担を減らすか維持するか、減らすならば社会保障費の減額をどう補うべきか、というテーマで討論を行った。また、米国式の個人年金を重視する方式か、北欧式の国家により年金を配分する方式のどちらが好ましいか、という問いもなされた。グループ討論では、年金の負担を維持すべきという意見が過半数を占めた。年金のみで生活している方も多く、年金支給額を下げるのは難しいのではないかとの懸念が見られた。一方で負担額を減らすにしても施策は何通りかあり、一定の収入のある高齢者の年金支給額を減額したり、高所得者への負担額を増額したりするといった施策で、必要な方々をうまく支えられるようにするのが良いのではないか、という意見が見られた。
全体討論でも同様に負担を維持すべきという意見が多く見られ、労働に対する価値観など、活発な討論がなされた。

【全体私感】

年金に対する見方が大きく変わったと感じる講演であった。また、保険料を負担している社会人と、まだ負担されていない方も多い学生会員との間の考え方の違いも目立ったと感じる討論会であった。

(KIP社会人会員 湯山 康介)

粂川 浩二氏

経歴
東海旅客鉄道株式会社(JR東海)人事部人事課長 京都大学経済学部を卒業後、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)に入社。総合職として人事部に配属、その後大役とも言われる広報部東京広報室室長を経て人事部勤労課長に、そして令和2年より人事部人事課長に就任されて以来、現在に至ってJR東海を運営している。

【スピーチと討論】

粂川氏はJR東海の公共企業体としての変遷を国鉄時代から現在のリニア中央新幹線の建設に至るまでの流れも含めてお話くださった。まず、日本国有鉄道(国鉄)は第2次世界大戦後の1949年に発足し、1987年の分割民営化によって解散するまで存続した。当初は戦後の日本の復興に貢献したが、国会による意思決定がなされたための当事者意識の欠如、事業分野が現在よりも限られていたこと、職場規律の乱れなどから輸送需要の変化に対応できず、1964年以降赤字に転落し、負債額が増加していった。そのため国鉄は6つの旅客鉄道会社と一つの貨物鉄道会社に分割民営化された。JR東海のエリアは日本のGDPの約6割を占める巨大な経済圏であり、東海道新幹線といった所謂「ドル箱」をもっているため経営は安泰だと言われることも多い。しかし、分割当初は新幹線の技術は陳腐化し、設備の老朽化、輸送能力の限界など様々な困難に直面していた。そこでJR東海では経営を阻害していた新幹線保有機構によるリース料の問題を線路の買い取りなどによって実現し、新幹線の高速化・高頻度化の達成、品川駅・名古屋セントラルタワーズの建設などを通じて利潤を確保するとともに経済の活性化を行ってきた。現在ではリニア中央新幹線の建設によってさらなる発展を目指している。JR東海がリニア中央新幹線の実現を目指す理由は主に2つである。一つ目は東京・名古屋・大阪の巨大経済圏を支えるインフラとして南海トラフ地震などの災害に備えることである。リニアを作ることで輸送の二重系化を図り、経済の流れが止まらないように強化する狙いがある。もう一つは東海道新幹線沿線の活性化である。現在東海道新幹線は東京大阪間の人の輸送に注力しており、その沿線の中小の駅にはあまり新幹線を止めることができないが、リニアに東京大阪間の輸送の役割を映すことによって東海道新幹線はより多くの駅に列車を止めることができるようになる。それにより観光客増加などが見込まれると考えられている。

最後に粂川氏は人口集積とその経済効果の説明をされた。東京のような巨大都市圏を持つことで特にサービス業においては生産性向上効果があり、また人と人との出会いが多いことからイノベーションを生みやすい環境が作り出される。さらに人口規模の大きさからニッチ産業も多く生まれ、GDP向上につながるといえる。

【グループ討論と全体討論】

討論テーマは「JR東海が行う中央新幹線施策は人口集中を促す側面があるが、日本の将来を考えた時に人口集中の功罪は何であろうか」であった。私の班では国と個人という2つの視点から人口集中の功罪を考えた。確かに国全体で考えると規模の経済が作用してGDPを底上げすることにつながるし、分散するよりも資源を効率的に使うことも可能になるだろうと考えられた。しかし、個人単位で見た場合には大都市での生活は個人化が進み、孤独を感じる人も増える傾向にあるなど精神面での健康や幸せに関しては疑問が残るという考えに落ち着いた。全体討論においては、東京一極集中が進むと大都市の考え方が優勢になり多様性が損なわれるといった懸念や日本全体で複数の都市に集中させることによって災害に対する脆弱性などの東京一極集中のデメリットを軽減できるのではないかという意見が出た。粂川氏は講評において、人口の集中が東京なのか、都市なのかを具体的に定めたうえで議論が発散しないようにするとよい、また人口を分散させるにしても今のままだと人口は東京に集中していくので、具体的な方策についても話し合い、さらに人口分散したときのデメリットも考慮したうえで分散と集中のバランスを考えていかなくてはいけないと指摘された。

【全体私感】

人口の東京一極集中というテーマは語りつくされたように感じていたが、今回そのメリットについても具体的に話し合えたおかげでよりこの問題についての多角的な視点を得ることができた。また、リニアモーターカーには夢のある事業だと思っているため、その完成をとても楽しみにしている。

(東京大学 文科1類 2年 朝比奈 龍之介)

浜中 裕徳氏

経歴
2007年より2017年まで(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)理事長を務め、現在は同IGES特別研究顧問及び2005年より(一社)イクレイ日本理事長。 1967年東京大学工学部都市工学科卒業。1969年厚生省(当時)入省。1971年より環境庁(当時)に設立メンバーとして勤務し、大気・水質保全、環境影響評価等の環境政策分野で活躍。また、京都議定書をはじめとする政府間交渉に携わる。2001年に環境省地球環境審議官、2004年に環境省を退職。2006年から2008年まで京都議定書遵守委員会共同議長及び同委員会促進部議長を務め、当時、その世界的存在の京都議定書作成への貢献を知らない人はいないとまで言われている。

【スピーチと討論】

浜中氏のご講演では、気候変動の問題と、環境・資源・エネルギーの持続可能性についてご説明頂いた。IPCC AR6では2021年に人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させたことに疑う余地はないと断言している。人類の繁栄が、自然資源や生態系に悪影響を及ぼす時代となり、例えば繁栄を支えてきた農業もその基盤が掘り崩されようとしている。興味深いことに、先進国と発展途上国の環境問題に対するとらえ方は幾分異なっていた。1972年ストックホルム国連人間環境会議では、先進国は環境汚染が深刻化し、国際協力による環境汚染の改善を主張したが、発展途上国は貧困脱却、発展のための国際協力を主張した。したがって環境か、開発かどちらかを選択するのではなく1987年「持続可能な開発」が提唱された。過去に起きた日本の公害問題では、公害の原因者と被害者が存在し、原因者が責任を負うという理解しやすい構図であり、公害問題に対する国民合意形成もしやすかった。しかし現在は下流ではなく上流部分、つまりモノを生産する段階にも目を向けることも大切であるとご教示頂いた。複雑化した環境問題に対応するためには社会システムの改革が重要である。企業のトップが製造プロセス改革や公害環境対策を行う、行政が環境、または開発に着目するのではなく様々な関連分野の統合的推進、消費者・市民のこのような問題解決への積極的な参加、学習等が必要であるとお伺いした。
現在、温室効果ガス排出削減は行われているが、世界の排出量は依然増加しており、気温上昇を1.5℃に抑制する状況にはまだない。COP26ではゼロエミッションを目指しているものの、途上国を含めてGHG排出削減を目指すには、先進国はより積極的に削減しなければならない。脱炭素社会・経済への移行のためには、自治体や企業の取り組みだけでなく、消費者の選択、消費者の取り組みも大切であることを強調されていた。 質疑応答の時間では、各国の二酸化炭素排出量が本当に信用できる値であるのか、国の成長を目的として政策を進めた場合、環境破壊につながることもあるのではないかなど深い議論が行われた。

【グループ討論と全体討論】

討論テーマは「暮らしのサステナビリティに向けて「1.5℃ライフスタイル」への転換をどう進めるか」であった。ライフスタイルカーボンフットプリントの現状、と家庭の消費に伴う排出をどのように減らすかについて主に食、住居、移動のいずれかに着目して議論し、私達に何が出来るか、どうすべきかを考えた。私の班では住居に着目し、消費者のエネルギ―の選択方法に着目した。カーボンフットプリントの低い再生可能エネルギーの利用を推進するためには、エコポイント導入による金銭的動機付け、また教育による国民の環境問題に対する問題意識の向上が大切と考えた。行政の取り組みや、消費者による選択に関して主に話し合ったが、浜中氏の総評の中で、断熱材が施された家屋の購入など、消費者の行動に関する新たな視点も提供された。他の班では食に注目し、食品のカーボンフットプリントの可視化、フードロスの削減、ヴィーガン食を身近なものにする等、カーボンフットプリント削減のために何が出来るかという視点も共有され、闊達に議論が行われた。浜中氏は総評にてカーボンフットプリントの表示を消費者の行動にどうつなげるかなど鋭いご指摘を頂き、これを機により深い議論が出来ればとのお言葉を頂いた。

【全体私感】

今回のフォーラムでは、環境問題という壮大なテーマの中で、カーボンフットプリントに着目し、自分たちの生活にひきつけて、何が出来るかを考えた。環境問題をより身近なものとしてとらえる良い機会になったと感じた。

(東京女子医科大学医学部4年 小川 真依)